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目標達成のための行動計画(アクションプラン)の設定方法

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目標達成のための行動計画(アクションプラン)の設定方法

会社の業務における目標や、個人で立てた目標においても、それを達成するためには行動計画(アクションプラン)を綿密に立てることが大切です。行動計画をしっかりと定めることで、今の自分は何をすべきかが明確になり、併せて目標達成のためのモチベーションアップにもつながります。 当記事では、目標達成のための行動計画の設定方法について詳しく紹介します。

行動計画(アクションプラン)とは?

行動計画(アクションプラン)とは? 行動計画(アクションプラン)は、ある目標を達成するための具体的な手順や行動をまとめた計画のことを指します。行動計画という言葉は、ビジネスやプロジェクト管理、個人の目標設定など、さまざまな場面で利用される用語です。 たとえば「3か月で5キログラム体重を落とす」という目標を立てた場合、「1日の摂取カロリーを2,000kcal以下にする」「週5日、30分間の運動(ウォーキング、ジョギングなど)を行う」などが行動計画となります。 行動計画は、目標達成に向けた具体策を示すだけでなく、目標達成の進捗管理や、必要に応じた調整にも役立ちます。明確な行動計画を持つことで、個人や組織が目標に向かって効率的に動けるようになるでしょう

会社の行動計画と個人の行動計画

会社の行動計画と個人の行動計画は、その対象範囲と目標の大きさが異なる傾向にあります。どちらも具体的な目標を達成するための手段であり、SMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、時間指定のある)の法則に基づいて設定されることが一般的です。 会社の行動計画は、経営計画とも言えます。長期経営計画・中期経営計画・短期経営計画に基づいて具体的な行動目標を計画し、組織全体で目標の達成を目指すものです。 会社の目標や行動計画は、部門やチームごとに落とし込まれ、最終的には個人の行動計画にまで落とし込まれます。企業によっては、個人の行動計画を、部門やチームで同じものに設定することもあるでしょう。その場合は全員にとって難易度が低すぎず、かつ達成を目指せるものに設定することが大切です。

行動計画を立てるメリット

続いて、行動計画を立てるメリットを3つ紹介します。

起こすべきアクションが明確になる

行動計画を作成することにより、何を行うべきか、それをどのように行うべきか、それがいつ行われるべきかが明確になります。また、具体的なタスクと期限を設定することで、目標達成に向けた工程が明瞭化され、実行可能なステップに分解されます。 取るべきアクションが明確になるということは、やらなくていいことも明確化されるということなので、業務を効率よく進められることにもつながるでしょう

現状分析ができる

行動計画を立てる過程において、現在地と目標地点とのギャップを理解するのにも役立ちます。各タスクの状況や必要なリソースを確認することで、現在のリソースや能力が目標達成までに、どの程度対応できるのかを把握できます。 また、進捗を定期的に追いかけPDCAを回すことで、計画が順調に進行しているのかどうか、調整が必要なのかどうか、そもそもの業務フローに問題はないのか、といったことなども判断しやすくなるでしょう。

モチベーションアップにつながる

行動計画を立てることで、ゴールまでにやるべき具体的なタスク・工程が明らかになるので、安心して業務に励みやすくなります。タスクを完了するごとに目標達成にも近づくため、従業員や自分自身のモチベーションアップにもつながるでしょう。 特に行動計画の結果が、件数や売上などの数値などで分かれば、適切なフィードバックもしやすくなります。中間目標を設定し、その段階でこれまでの行動の振り返りを行うのも、モチベーション維持に有効です。

目標達成のための行動計画の設定方法

目標達成のための行動計画の設定方法 続いて、目標達成のためにどのように行動計画を設定すべきか、その方法について手順ごとに紹介します。

目的・目標の明確化

まず最初のステップは、何を達成したいのか明確にすることです。この目標はSMARTの法則に基づいて設定されることが好ましいです。 たとえば「年度末までに20%の売上成長を達成する」「下半期で20件の新規案件を受注する」といった目標が挙げられます。誰が見ても達成か未達かがわかるような目標を設定することが大切です。

現状分析

目標を設定する前に現状分析を行い、目標との差分を適切に把握しましょう。以下では、現状分析に使用できるフレームワークを2つ紹介します。

SWOT分析 SWOT分析は、自分自身や組織の強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、そして脅威(Threats)を評価するためのフレームワークです。強みと弱みは内部要因で、機会と脅威は外部要因によるものです。 PEST分析 PEST分析は、組織やプロジェクトが直面するマクロ環境を理解するためのフレームワークであり、政治(Political)、経済(Economic)、社会(Social)、技術(Technological)の4つの要素を評価します。

企業の行動計画の場合は、競合他社と差別化するためにも、自社の長所や強みを活かせるような目標・行動計画を策定し、現場の社員に落とし込むことが大切です。

やるべきことの洗い出し

目標と現状のギャップを埋めるために、何をしなければならないかを洗い出しましょう。まずは大きなタスクを洗い出し、そのタスクに紐づいた小タスクを洗い出すこと、やるべきことが漏れなく洗い出されます。 やるべきことの洗い出しには、ロジックツリーの考え方も有用なので、以下の記事も併せて参考にしてみてください ロジックツリーの具体例 関連記事 ロジックツリーの具体例|作り方も分かりやすく紹介

担当者や期日の設定

最後に、各タスクの担当者と期日を設定します。各タスクの進行に責任を持つ人が明確になるため、「誰かがやってくれる」といった他人任せも発生しにくくなり、結果的にタスクが計画どおりに進行しやすくなるでしょう。 また、各タスクの期日を設定することで、全体の進捗も追跡しやすくなるほか、タスクが後回しにされにくくなります。

目標達成のための行動計画が機能しない場合の原因

目標達成のための行動計画を立てたものの、うまく機能していないと感じる場合は、以下で紹介する3つの内容を参考にしてみてください。

行動計画が適切に設定されていない

そもそもの行動計画が適切に設定されていないと、目標達成も困難になってしまいます。たとえば、「計画があいまいで具体的ではない」「達成不可能な目標が設定されている」「行動計画が現実的なリソースや時間を考慮していない」といったものが挙げられるでしょう。 実現可能な行動計画になっていないと、従業員のモチベーションも下がります。現状のスキルや業務環境を把握したうえで、少しだけストレッチしたくらいの、行動計画を立てるようにしてください。

従業員の中で腹落ちしていない

行動計画は組織全体で共有され、全員が計画に対する理解と責任を持つことが重要です。従業員が行動計画の目的や自身の役割を理解していない、またはその重要性に納得していない場合、計画の実行に支障をきたすでしょう。 1on1などを設定して、従業員が自分たちの役割と期待値を理解できるように計らうのも一案です。目標に対して、それぞれが自分事として関与したいと思える雰囲気を作るようにしてみてください。

進捗管理が甘い

行動計画は、適切なフォローアップと進捗管理がなければ、停滞しやすくなってしまいます。「達成まではあとどれくらいなのか」「どのくらい遅れているのか」といったことを、定期的にチェックし、必要な調整を行うことが重要です。 その際、目視のチェックで終わるのではなく、チームで共有しやすいように記録すると、周りから適切なフィードバックをもらいやすくなりますし、自分としての目標達成意識も高まるでしょう。

まとめ

目標や目標達成のための行動計画は、基本的にはSMARTの法則を元に立てることがおすすめです。タスクを具体的に定め、かつ組織の目標と個人の目標が紐づくように設定することが大切となります。 また最近では、目標管理ツールやタスク管理ツールも多くリリースされています。自己流ではなく、そういったツールも適宜活用しながら行動計画を管理するのもよいでしょう。

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